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映画【万引き家族】 「ワークシェアリングはみんなでちょっとずつ貧乏になるシステム」のセリフに苦笑~~;

今日は市民会館で上映された映画「万引き家族」をうちのおっさんと観に行ってきた箱入り主婦baabaです。こんばんは(~~)/

映画はうちのおっさんとよく観に行くのだけれど、この「万引き家族」は、あんまり興味がなかったのでスルーしてた映画~~;

でも、話題作のこの映画が近くで上映されるって市報で見つけたうちのおっさん、めずらしく行き気満々で前売りチケットをゲットすることにしたんですが・・・
結構大変でした~~;

じゃってね、平日の遅くても5時30分までに行かないといけないんですもん。仕事してるとなかなかそんな時間に買いに行けませんよねー。
なんとか仕事帰りに何か所かチケットを売ってるところに行こうと頑張っても寸でのところで閉まってる==;

それでも、もし開いてるところがあったらって思ってダメもとで出掛けて行ったら、まだ中で談笑されていたのでチケットをお願いしたら「チケット販売は5時半までです。それまでに来て貰わないと。」(>、<)オーマイガッ
それでもねー、「せっかく来たんで、なんとかなりませんか。」って頼んだら、
メッチャ上から目線で、
「今日は私がいたから特別に売りますけど、次からは必ず時間内に来て下さいっ!」
じゃってーー。
そがん言い方せんでもええのにねーー。
じゃって、残業中?なのにおじさんとのんびり談笑してたがぁ。
かなり面倒くさそうな様子で手提げ金庫からチケットを渡され、その後またおじさんと談笑を始められ、こちらが帰る時「ありがとうございました。」って言っても返事はなし・・・
もちろん時間過ぎてから行った箱入り主婦baaba夫婦も悪いんですけどね(~~;)
カナリ キズツイタワ
もうちょこっと、市の方なら、市民への対応とかなんとかならんもんなんですかね。もう前売りチケットなんて買いに行かないわ==。

なーんて、なかなか口には出せないグチを書かせてもらったところで、
本題の映画「万引き家族」

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是枝裕和監督「万引き家族」

『万引き家族』予告編

映画の上映前に流れる「予告」しか観ていなかった「万引き家族」

もっと気軽に爆笑できて、それでいてちょこっとホロリとなりながら観賞できる映画かと思ったら・・・

やっぱ、カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した作品ですね。
今の日本の世の中に潜んでいる問題をいっぱい提起するもので、箱入り主婦baabaには、ちょこっと重~い映画でありました~~;

おおよそのストーリーをかいつまんで書くと・・・

崩れそうな不衛生な家で身を寄せ合って、他の周りの人達とはあまり深いつながりを持たず、貧しいけれど、それぞれ精いっぱいの愛情を持って幸せに暮らしている家族の様子がリアルに描かれています。

そこに住んでいるのは、血の繋がりのない人々。

ひとり暮らしで身寄りのない高齢者の《初枝》
その初枝の年金を目当てに初枝の持ち家に身を寄せている夫婦の《治》と《信代》
親から見放された子供《亜紀》
炎天下の駐車場の車の中に放置されていた子供《祥太》
それぞれが、おばあちゃん、お父さん、お母さん、妹、息子とした寄せ集めの疑似家族で、初枝(おばあちゃん)の年金では足りない生活費を万引きで稼ぐと言うなんとも最低な生活をしているんだけど、それでもいつも笑いが絶えない日々を送っています。

でも、ある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い《ゆり》を見るに見かねて家に連れ帰り、傷やあざだらけなのを見て、ゆりが虐待を受けている境遇を察して、帰すに帰せなくてそのまま一緒に祥大の妹として暮らすようになるんですが・・・

ある夏の一日、家族で海水浴に行き、家族の幸せそうな時間を過ごしている情景から一転。

おばあちゃんの死や、
そのおばあちゃんを自分たちで埋めて隠してしまう結果になったこと、
そして、治から教えられるままに万引きを手伝っていた祥太が、駄菓子屋の店主の言葉で社会と自分の家庭の違和感を感じ成長していくことで
最終的にはみんなバラバラになってしまいます。

常識やルールとか、必ずしも正しいことなのかな? 家族ってなんだろ?

その後、
それまでのみんなの貧しいながら家族愛に溢れた生活、彼らの生活や家族スタイルは社会の常識やルールで否定されていくんですけど・・・。

家族ってなんなんでしょうねー。

常識で考えると、万引きや車上狙いなどの軽犯罪、初枝が亡くなった後の年金不正受給、死体遺棄、それに子供の誘拐などなど、治や信代は犯罪者であり、子供は誘拐された可愛そうな被害者なんです。
虐待されていた子供を家に帰すに帰せなくてとか、車の中に放置されていて死ぬかも知れなかったから連れて帰ったとかいろんな事情があっても、社会の常識やルールでは、そんなのは関係ないんですよね。
血のつながりはなくても家族として幸せに過ごしていた生活なども関係なく加害者と被害者。

箱入り主婦baabaも、それは頭ではわかってるんだけど、なんだかなぁ。。。

なので、寄せ集めの疑似家族でも、彼らは彼らなりの精いっぱいの愛情かけて身を寄せ合って、貧しくそれでも幸せに暮らしていた事実を何も知らないで(←当たり前ですけど )
「子供には母親が必要」だとか
「母親は子供を産んだら育てるもの」という
社会の常識やルールで正義をふりかざす女性訊問官の方の言葉や態度には怒りすら覚えました。そんな言い方ないじゃろって(>o<)/
おまけに、何かの事情があって子供が持てない《信代》に対して
「産まなきゃ、母親にはなれないでしょうねえ」
「あなたはなんて呼ばれてたんですか?」

うまく言えないけど・・・
その時の安藤サクラさんの何とも言えない演技に胸が痛くなりました。

だけど、警察や訊問官は間違ってはないんですよ。
社会の常識やルールに従っているから。。。
でも、その結果、社会の常識やルールに従って強制的に「遺棄された子供」は施設に送られ、「ネグレクトや虐待を受けている子供」は虐待する親元や家族のもとに返されることになるんですが、
元の家族や親元に戻されたことで、また虐待の被害者となるかも知れないと、正しいこととされる社会のルールや常識の中では考えられないのかな?
実の親は、子供がいなくなっても捜索願いも出していないんですよ。。。

そんなこんなで、ネグレクトやDVのある本当の血のつながりのある家族の元に帰った女の子のことを考えると、必ずしもそれが本当に正しいことなのかな?って思ってしまいました。

だけど、いくら幸せに暮らしていても、偽装家族では、子供たちは教育も受けれないしや将来になんの希望も持てないんですよね。

家族ってほんとなんなんでしょうねー。
実の親子、家族であっても、会話もあまりなく、心のつながりも薄いなら家族と呼べないような気がする。。。
じゃぁ、箱入り主婦baabaの思ってる家族ってどんなん?って聞かれても、ちゃんとうまく説明できなくて答えに詰まるんですけどね~~;
難しい問題です。

厳しい社会の現実や問題の数々も

この映画は、家族のつながりの問題提起だけじゃなくって、厳しい社会の現実や問題の数々も描かれているのね。

映画の中の話で言えば・・・
両親が二人でまともに働いていても生活が苦しい現状
治はまともな定職に就けない理由があるんですが、それでも工事現場で日雇いのバイトをしています。
妻の信代もクリーニング屋でパートとして働いています。
でも、それでは生活が成り立たないので、年金を目当てに一家が同居しているんですが、それでも足りない生活費の補填のため、万引きという犯罪に手を染めながら暮らしているんですね。万引きは絶対ダメですけど!

そうしてるうちに、信代の働いているクリーニング店が不況のため「ワークシェアリング」の末、「リストラ」をすることになり、信代は家族の《ゆり》を守るために職を失ってしまいます。
不運なことに、治も日雇いの現場で足をケガしてしまうんですが、日雇いと言う雇用形態のため労災の適用にはならないんです。

夫婦二人で働いていても苦しいのに、ある日突然リストラやケガなどで収入が途絶えたら・・・

この映画の場合は極端なお話だと思うけれど、
いつ自分の身に起こってもおかしくないことなんですよね。
貧困は、決して他人事ではない社会問題。
実際、子供の貧困とか派遣貧困、介護貧困に女性貧困とかetc・・・
いろんな問題が山積みになったままですよね。

映画の中で
「ワークシェアリングはみんなでちょっとずつ貧乏になるシステム」
って言葉に、「なるほどなー。的を得た言葉じゃな。」って思ってしまいました~~
「ワークシェアリング」とか「働き方改革」とかなんとか言ってますけど、あまり現実を知らない身分や生活を保証されている方々の構想で、実際の生活にマッチしていないんじゃないかなって思ったりしてます。

もし、それをするなら・・・
やっぱ、ちゃんとした安定した雇用形態と収入の保証がないと。。。
って、箱入り主婦baabaは思います。

思いっきり偏った考えだと思うけど・・・

その昔、小泉純一郎内閣が推進した構造改革、小泉・竹中改革は、今にして思えばことごとく失敗だったんじゃないかなって箱入り主婦baabaは思ってます。

マスコミを上手に利用しての「劇場型政治」
民営化法案が参院で否決されると、「国民に信を問う」と解散・総選挙に踏みきり、
自分の考えに添わない自民党の人を「抵抗勢力」と名付け、国民の興味を煽り、「刺客候補」を立てての小泉劇場で国民の味方と言わんばかりの選挙を行ないましたよねー。

でも、その結果・・・

小泉内閣時代の年金改悪で国民負担が重くなり、
派遣業法改正で派遣社員や非正規労働者が増えて、
日本の所得格差が大きくなり、未来に希望を抱けなくなった人たちが増えてると思うんですけど・・・。

たとえば・・・
昔は派遣社員、契約社員というのは専門的技能を有する人のことでした。
派遣で働く方は、専門知識を持った即戦力になる高いスキルを武器に高い時給で企業を渡り歩くというイメージだったんです。
なのに、小泉・竹中改革で、「自由な働き方」という心地よいフレーズで勧められた派遣と言う働き方が、いつの間にか今では見下されたり、まるで使い捨てのような存在に扱われるようになってしまいました。
これって、どうなんでしょうか。。。

もちろん、全員が全員「正社員になりたい」と思っているわけではないことや、自分のライフスタイルに合わせて派遣社員という形態を選んでいる方が多数おられるのは理解しているんですけど・・・

でも、派遣社員の多くは希望して派遣社員になったのではなく、正社員の雇用が少ない中で、他に選択肢がないためやむにやまれず派遣社員となったケースが多いと聞きます。

派遣という働き方は雇用形態の中でも、不安定な形態じゃないかなと思います。
派遣契約更新されないかもと言う不安、年齢が上がるにつれて派遣の仕事の契約すらも難しくなるんじゃないかと言う不安etc・・・
やっぱ、安定した雇用形態と収入の保証がない分、現在の生活だけではなく、将来も不安ですよね。
結局、小泉・竹中さん方が行った派遣業法改正が今の少子化や生涯独身率の高さを招いてるルーツなんじゃないかと箱入り主婦baabaは思ってます・・・==;オモイッキリ ヘンケンカモ ダケド

大衆受けを狙った小泉純一郎さんのポピュリズム政治。
箱入り主婦baabaは嫌いでした~~;
今でも嫌いかな。あの人は==;
小泉進二郎さんも苦手~~;

でも・・・
小泉孝太郎さんのドラマは好き~~;

でも、ホントこれからを担う若者や正規社員の率が低くなればなるほど、年金や税金や保険料などの徴収が減り、社会の仕組みがどんどん崩壊して、ますます貧困化が進んでいく将来を思うとほんと怖いです。

また、子供への虐待の要因のひとつとして親の貧困が指摘されていて、虐待につながると思われる家庭・家族の状況として、「経済的な困難」33.6%、「不安定な就労」16.2%などの結果が示されているそうです。

日本は今、貧困が蔓延していて、フルタイムで働いているのに生活すらままならない人たちがたくさんいます。
その中には、「万引き家族」の中に出てくる人たちのように、実の家族を頼れない、誰にも頼れない、そんな人たちはホントにたくさんいるんですね。
今の日本には助けが必要な人達がたくさんいること、そのところをちゃんと押さえて、これから将来に明るい希望を持てるような政治改革を行って欲しいなって箱入り主婦baabaは切に願っています。


箱入り主婦baabaのつぶやき

今日は「万引き家族」の映画の感想を書くつもりじゃったのに、
映画の中での《治》の言葉
「ワークシェアリングはみんなでちょっとずつ貧乏になるシステム」
に感化されて、思いっきりあれこれぼやいたり、グチったりしてしまいました~~;

ちょこっと前に、年金だけでは老後の生活資金が足りず、95歳まで生きるには、夫婦で約2000万円の蓄えが必要との試算が出てましたが・・・

つまりは年金だけに頼らず、しっかりと貯蓄をしておくようにってことなんでしょうが、もうちょこっとで定年を迎えるお年頃になって、いまさらそんなこと言われても遅いっす(/ー;)コノサキ フアンジャワー

って、なんで今日の箱入り主婦baabaはこんなにクライ気分なんでしょうか~~;
それは、やっぱりこの映画「万引き家族」を観たからかなー。
「社会とのつながり」
「家族のつながり」
経済的な貧困だけじゃなく、ぼっちな箱入り主婦baabaは「人とのつながりの貧困」を自分の身に重ねて感じたからなのかもですね。

「万引き家族」ほんといろいろ考えさせられる映画でありました~~