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日比谷花壇の花祭壇を前にして、何よりも心に残る【納棺式】に感涙でした。葬儀は遺族が故人の死を受け入れてきちんと見送ってあげる儀式なのね。


「ごめん!わがまま言って。どーしても、【日比谷花壇の花祭壇】を前にして、父さんに真綿で袴を着付ける【納棺式】をしてあげたいんよ。だからここに決めさせてもらったからね。」

この前の父の【幸せな老衰】ことを日記に書いた11月5の翌日に父が息を引き取りました。
おりしもその日は母の誕生日。
母の誕生日に亡くなるなんて、もしかしたら母が父を迎えに来たのかな。

11月7日のお通夜・11月8日の葬儀を終えて今思えば
コロナ禍の中、施設での面会はできないはずなのに、箱入り主婦baabaは病院受診の付き添いと言う形で、妹夫婦は父の容体連絡と言う形で父と最後に会うことができました。
今思えば、父が、生きているうちに私たちに会いたいって思って機会を作ってくれたのかなって思ったりしています。
その父が、入居していた施設で最後まで手厚い介護士さんや看護師さんの看取り介護で、父に「幸せな老衰」を迎えさせていただき、眠るように安らかに永眠しました。
最期まで傍にいてくれた介護士さんや看護師さんには感謝の気持ちでいっぱいです。

母が急死してから10年間・・・
私たち4姉妹もそれぞれ嫁いで家庭持っていたり遠方に住んでいたりする妹もいたりして、なかなか4姉妹全員揃って父に会うことができませんでした。
でも、父が亡くなったことで、私たち4姉妹夫婦、孫夫婦に、ひ孫までみんな揃うことが出来た曜日を選んで息を引き取ったのは、これもまた父の私たちへの思いやりのひとつだったのかなとも思っているのであります。

なので・・・
義母のお葬式の時とっても印象に残り、心からの感謝の気持ちで泣けた【納棺式】
【通夜】や【告別式】に比べると知名度が低い【納棺式】だけど、【通夜】や【告別式】の慌ただしい時間の流れの中で、【納棺式】は遺族が故人と過ごせる最後の時間だから、いつまでも遺族の心に残る大切な儀式だから、このお別れの儀式をどうしても4姉妹揃って父にしてあげたかった箱入り主婦baabaなのであります。

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納棺式

納棺とは、遺族が故人の遺体を棺に入れるときの特別な儀式のこと。
宗教や葬儀を行う葬儀社によって儀式の内容はいろいろと違ってくると思いますが
末期の水・湯灌(ゆかん)・死化粧・死装束・納棺・副葬品
の順で納棺の儀式は行われます。

納棺式と言えば、昔、【おくりびと】って映画がありましたよね。
納棺師の美しい所作一つ一つがとても素敵な映画でした。
遺族と故人が過ごす最期の時間や、人の生と死などについていろいろと考えさせられる映画でもありました。

この映画を観たこの数年後、箱入り主婦baabaの実母が亡くなった時、意図してお願いした訳じゃなかったのですが葬儀社の手配で実家で【湯灌の儀】【納棺式】を行っていただき、故人と向き合う大切な時間を箱入り主婦baabaは身をもって実感しました。
大切な人を突然失ってしまった驚きや悲しみを納棺師の方の故人へ尊厳ある所作のひとつひとつが、見守っている遺族を感謝や尊敬に導いてくれるんですね。母の最期をあんなに穏やかな姿で送り出してあげることができてとても感動しました。
何よりも遺族の心に残る【納棺式】は、大切な儀式なんだなって思います。

父の納棺式

箱入り主婦baabaが今回選んだ葬儀社では、湯灌はありませんでしたが、
身体を清め仏衣を着せ、手の甲に着ける「手甲」、足に着ける「脚絆(きゃはん)」や「足袋」、六文銭を入れた「頭蛇袋(ずだぶくろ)」など旅の支度を整え、
死化粧をして棺に納める【美装納棺】を行っていただいた後、
時間を変えて通夜が始まる前に、もう1回改めて【納棺式】を行ってくださるんです。

女性には真綿で振袖を、男性には真綿で袴を着付けて下さる所作を眺めながら
故人に思いをはせ、旅立ちの晴れ着に着付けられた故人に
それぞれがひとりずつ“ありがとう”の心を言葉で伝えながら
お酒で清める盃の儀を行う特別なお別れの儀式。
遺族が故人とゆっくり過ごせる大切な時間を作ってくださいます。
亡くなった故人に語りかける、今までの思いを伝えられる唯一の時間。
この真綿で振袖や袴姿に着付けて下さってお別れの儀式を行ってく下さるところは、今のところ箱入り主婦baabaが住んでいる辺りには、ここしか他にはないんだそうです。
だから、ここで姉妹揃ってこの【納棺式】を父にしてあげたかった箱入り主婦baaba。。。
父へ最後の親孝行だったかも。

日比谷花壇の花に彩られた花祭壇を前にして
アクリルの透明な蓋の棺に納められた父の姿。
真綿で着付けられた袴姿の父・・・
とっても凛々しかったです。

葬儀に対するイメージが180度変わったような

今までの箱入り主婦baabaは、正直言って、葬儀にはあまり良いイメージを持ってなくって、
大切な人を亡くして悲しいのに、通夜から葬儀、火葬まで慌ただしい時間の中でカタチ通りに行われる儀式に思えてなんとなく抵抗を感じてました。
でも・・・

両親の葬儀を通して、
カタチ通りに思えてた儀式だったけど、実際は遺族の立場になり、
親身になり気遣いや心遣いをして下さる葬儀社の方々のおかげで、
父の最期を穏やかな姿で送り出してあげることができて、
葬儀に対するイメージが180度変わったような気がしています。
葬儀は、遺族が故人の死を受け入れて、悲しむだけではなく、きちんと見送ってあげられるように心の整理をする大切な儀式なんだなって思うようになりました。

箱入り主婦baabaのつぶやき

今回もほんとうに一番印象強く心に残った【納棺式】
真綿の袴姿の父はまるでこれから婚礼を挙げる花婿さんのようでした。

箱入り主婦baabaは、母が亡くなってから
「お父ちゃん、あと5年、いや10年は頑張らんといけんよ。」
毎回父に会う度に父にあと10年、あと10年って言ってました。
毎回会う度に、10年って言ってたら、毎年1年ずつ増えていって、祖母のように100歳近くまで長生きしてくれたらなって思ってたから。。。

母を亡くしてから「早く母さんのところに行きたい」ってばかり言ってた父もそのうち、
「10年かぁ。頑張れるかな母が急死してから10年間、本当に父はよく頑張ってきてくれてた父。ぁ。長いなぁ。」
なんてそんな会話がやっとできるようになった矢先に2度目の脳出血で意思の疎通も出来ない状態になったけど、それでも頑張って命を繋いできてくれてた父。
その父が母が急死した2011年3月25日から約10年後の2020年11月6日、母の誕生日に父は静かに息を引き取るなんて、約束の10年が来たから、母がもういいじゃろって待ちきれなくなって迎えに来たのかな。

葬儀社のスタッフの方が、サプライズで用意して下さってた【婚姻届】を胸に、晴れ姿でもう一度プロポーズしに行きますからね。
四十九日が来るまで、も少し待っててね、母さん。
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